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西条中央病院ニュースvol.27 知っておくことが大事、心臓の病気 病院長 風谷幸男

心臓は全身に酸素を供給するため休みなく拍動し血液を送り出しています。心臓自身も酸素が必要で、心臓の周りに張り巡らされている血管を流れる血液から酸素をもらっています。この血管を「冠動脈」と言います。冠動脈が動脈硬化などで狭くなるとその先の心臓の筋肉が酸素不足に陥ります。これが狭心症で、典型的には発作性に胸の痛みを生じます。詰まると酸素を貰えなくなりその先の心臓の筋肉が死んでしまいます。これが心筋梗塞で、発症直後に約30%の人が命を落とす恐ろしい病気です。

狭心症には安定狭心症と不安定狭心症があり、2つの病態は大きく異なります。胸痛発作の起こり方や頻度が概ね一定しているのが安定狭心症で、命に係わることはほとんどありません。これに対して、不安定狭心症は急性心筋梗塞と類似点が多く、両疾患は急性冠症候群という名で一括して扱われています。急性心筋梗塞の約7割は有意狭窄のない冠動脈があっという間に詰まって発症することがわかっています。発症すると多くは胸に激しい痛みを生じます。不安定狭心症は完全に詰まる手前の病気と理解するとわかりやすいと思います。

主な治療法には、①薬物療法・予防医療、②経皮的冠動脈インターベンション(PCI)、③冠動脈バイパス術があります。ここではPCIを中心に述べます。

PCIは細長い風船を手や足の付け根の動脈からカテーテルを介して挿入し冠動脈の狭くなっている(詰まっている)箇所で膨らませて広げる治療法です。最近は広げた箇所にステント(金属のメッシュのようなもの)を留置し冠動脈壁を支える手法がよく用いられています。PCIは体に与える侵襲が小さく見えるため、日本人受けするようです。しかし、成功しても広げた箇所が再び狭くなったり血栓が出来て詰まる恐れがあり、後者は生死にかかわります。抗血小板薬(血をさらさらにする薬)は半永久的に服用するなど治療し続けなければならず、患者さんの身体的、精神的、金銭的負担は小さくありません。

PCIが最も効果的なのは急性冠症候群で、救命救急治療として行われます。詰まった(詰まりかけた)ばかりの冠動脈を再疎通させることにより、生き残っている心臓の筋肉を救済することができます。早く再疎通すればするほど、より多くの心臓の筋肉が救済され、救命率が上がります。このため、できるだけ早く救急対応できる医療機関に搬送しなければなりません。ところが、西条市内では急性冠症候群が市内の医療機関に搬送される割合が年々減少していることがわかりました。そこで、当院では、7月1日から急性冠症候群を迅速に受け入れるための新たなシステムを導入しました。平日には循環器ホットラインを設け、休日の内科系2次当番日も含めて、地域の先生方や救急隊から急性冠症候群を疑う患者さんの受け入れ要請があれば、昼夜を問わず緊急対応することにしました。

これに対して、安定狭心症に対するPCIの意義は限定的です。急性冠症候群にならないように動脈硬化の促進因子(煙草、高血圧、脂質異常症、糖尿病など)を徹底的に管理することが重要です。

このように、同じ冠動脈の病気であっても、病気の怖さ、緊急性の有無や最適な治療法が異なります。まずは急性冠症候群にならないように予防し、不幸にしてなったときは、緊急PCIの対象になり得ることを知っておきましょう。突然、強い胸の痛みが起こり治まらないときは救急車を呼んでください。

 

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