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2020-11-01

こんにちわ2020年11月号 新型コロナウイルスと心血管疾患  循環器内科部長 中村真胤

 2019年12月上旬に中国・武漢で発生した新型コロナウイルス「COVID-19」は世界中に感染が拡大し、3月11日に世界保健機関(WHO)はパンデミック(世界的な大流行)に相当すると表明し、現在では220の国・地域に広がっています。国内では2020年1月16日に最初の感染者が確認され、8月10日には感染者は5万人を突破しており、ワクチンや特効薬の無い現状では今後も増加が予想されます。新型コロナウイルス感染者の80%は軽症ですが、65歳以上の高齢者や高血圧、糖尿病、心血管疾患、慢性腎臓病、慢性呼吸器疾患、肥満が重症化のリスク因子といわれ、特に心血管疾患が重症化の要因として最も多いと報告されています。高血圧、糖尿病や肥満は動脈硬化の要因であり、新型コロナウイルス感染による心肺の過剰な負荷からアテローム性動脈硬化のプラークの破綻をきたして心臓発作や脳卒中を引き起こす可能性があります。また新型コロナウイルス感染により免疫が過剰に反応して全身に炎症が起こるサイトカインストームが引き起こされ、心臓の筋肉に炎症を起こして心筋炎をおこすだけでなく細動脈、毛細血管などの微小血管に血栓を形成して循環障害をきたし、肺塞栓や脳梗塞や心筋梗塞を引き起こす可能性があります。これらの心筋障害により心不全が悪化し、さらに不整脈の合併によっても治療が必要になります。

 このように新型コロナウイルス感染の重症化に心血管疾患は大きく関与しており、予防のためにも継続的な治療が必要です。新型コロナウイルス感染の合併症に血栓症が知られていますが、急性心筋梗塞の患者数は増加していません。これは新型コロナウイルス感染を恐れて重篤な心血管疾患患者が、医療機関の受診を控えている可能性があります。心血管疾患は重篤化する前の治療が大事ですので、少しでも症状があれば早目の受診をお勧めします。

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