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2025-01-29

医療機関向け広報誌「まんなか」2月号 愛媛県がん診療連携推進病院になりました

 

【外科小野副院長インタビュー全文】

Q1.プロフィールを教えてください

・これまでの経歴
愛媛県新居浜市出身
1981年3月鳥取大学医学部卒業
1981年4月愛媛大学第2外科研修医
1992年2月西条中央病院外科医長
1993年4月愛媛県立南宇和病院外科部長
2000年4月西条中央病院外科に勤務し、現在副院長

・所属学会
 日本外科学会、日本消化器外科学会、日本乳がん学会、日本癌治療学会、日本内視鏡外科学会、日本呼吸器外科学会、日本臨床外科学会

・資格
 日本がん治療認定医、日本外科学会外科専門医、日本消化器外科学会専門医・指導医、マンモグラフィ読影認定医、医学博士

・趣味
バイク、ツーリング

Q2.愛媛県がん診療連携推進病院の認定を目指した経緯
 がん患者の増加に従い、がん医療の均てん化(どこでも同じ質の医療を提供すること)や、がん患者を含めた県民・市民の視点に立ったがん対策の推進、予防から相談・治療まで総合的ながん対策の推進が必要な時代となりました。2006年がん対策基本法が制定され、2008年から愛媛県がん対策推進計画が策定され、がん診療連携拠点病院の整備が始まりました。
当院は、2007年より日本癌学会、日本がん治療学会、日本臨床腫瘍学会の3学会が立ち上げた日本がん治療認定医機構の研修施設になっておりました。ただ、愛媛県のがん診療連携協議会への参加ができていませんでしたが、実際には、西条市の患者様に対しては、積極的に診断、治療の面で標準治療を行い、自院で行えない治療に関しては、がん診療拠点病院と協力して診療を行っておりました。
 今回は、当院のがん診療、特にがん患者様に対する低侵襲手術、また緩和ケアチームの成熟や抗がん剤を含む薬物治療やがん相談支援における実績や連携が充実してきたこの時期に、愛媛県がん診療連携協議会への参加と愛媛県がん診療連携推進病院の指定を受けることで、がん患者様やご家族のがん診療に対する支援を強力に進めることができ、西条市民の皆様にとって安心できる病院になっていけるのではと判断いたしました。

Q3.現在の当院のがんに対する取り組み
人間ドックを含めたがん検診への取り組みは、年間 約6000件(2023年度6144件)と早期発見・早期加療に努めています。上部消化管内視鏡3842例/年間、大腸内視鏡検査 938例/年間、マンモグラフィ520例/年間と広く検査を実施しています。
 当院では、5大がんのうち、特に胃がん・大腸がん・乳がんの手術治療や抗がん剤治療などを含めた集学的な治療を積極的に行っています。
消化器科(当院では放射線科)が早期の胃がん、大腸がんに対して、吾妻医師が内視鏡で内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)、内視鏡的粘膜切除(EMR)を施行しております。
外科では、胃がん・大腸がんに対しては、内視鏡技術認定医の渡部医師がチームリーダーとして4kモニターで微細構造が視認できる低侵襲の腹腔鏡下手術を施行しています。
また、当院歯科では、がん治療中の口腔衛生管理を積極的に行い、治療に伴う口腔内トラブルを解決しています。
 薬剤部は、抗がん剤の調整、適応や投与量の確認を行い、安全に化学療法を行うことができるように対応しています。また、抗がん剤投与に伴う、患者様の副作用などの不安に対して、相談支援をしています。(2023年度は外来化学療法113件、抗がん剤の外来薬剤管理指導は82件、入院化学療法は107件、入院の抗がん剤管理指導は218件)
 がん治療に対して患者様の不安に対応するようにがん治療認定医や緩和ケアチーム、専任の看護師が対応しています。

Q4.当院のがん診療の実績
2023年の実績(2023年4月~2024年3月)

外科で行う手術は年間224例ですが、そのうち55例が癌に関する手術
胃がん10例:腹腔鏡下胃全摘1例、腹腔鏡下幽門側胃切除術5例、腹腔鏡下噴門部胃切除術3例、開腹1例
大腸がん24例:腹腔鏡手術が大部分
直腸がん3例:腹腔鏡手術
乳がん12例:乳房部分切除(Bp)+センチネルリンパ節生検10例、Bpのみ1例、Bp+腋窩郭清1例
甲状腺がん2例:葉切除
その他 4例

婦人科
子宮頸部(膣部)切除5例
子宮頸部異形成上皮に対するレーザー照射療法 5例

消化器科(放射線科が担当)
胃がんの内視鏡的粘膜切除(EMR)・内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD):14例
大腸がんの内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD):20例
良性も含めた大腸ポリペクトミー:111例

Q5.愛媛県がん診療連携推進病院として、今後積極的に取り組んでいきたいこと
 2024年11月1日愛媛県より指定を受けましたので、患者様の視点に立ったがん診療を推進してまいります。がんの診療やがん治療、仕事との両立などに不安のある患者やご家族様の相談をいつでも受けることができるような患者支援センター(がん相談室)を目指します。
当院は現在、日本がん治療認定医機構認定研修施設、マンモグラフィ検診施設・画像認定施設、日本乳がん学会関連施設、大腸肛門病関連施設、日本外科学会研修施設、日本消化器外科学会関連施設、日本内科学会教育関連施設などのがん関連学会の施設認定を受けていますが、さらに、がん診療拠点病院とネットワークを介した研修により、がんに対する診療や患者支援のレベルをあげていきます。
消化器外科においては、日本内視鏡外科学会技術認定医、日本ロボット外科学会専門医の渡部医師(愛媛大学消化器外科名誉教授)の実施・指導の下に患者様にやさしい低侵襲手術を進めていきます。
 乳がん領域においては、早期診断早期治療を進めてまいります。

Q6.ぜひとも紹介いただきたい症状・所見
食道、胃、大腸腫瘍などの疑いの患者様
乳腺や甲状腺のしこりが心配な患者様

Q7.当院の外科としての今後の展望
 患者様にとって、安全で低侵襲の内視鏡外科手術をさらにすすめるため、2025年度にはロボット支援手術の導入を予定しています。導入に向けて、スタッフ教育を含めて外科手術を安心して受けていただく環境を作っていきます。
がんの根治手術を確実に行いつつ、患者様にとって低侵襲であり合併症の極めて少ない手術を提供いたします。

Q8.クリニックの先生へメッセージ
 今後、今まで以上に、がんの診断、集学的な治療や緩和医療を進めてまいります。
 がんの深達度、病期などの進行度を含めて精確に診断を行い、適切な治療方針を患者様と相談しながら、決定していきます。

 

 

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