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2017-02-01

こんにちわ2017年2月号 お子さん・お孫さんは大丈夫? 古くて新しい病気「ビタミンD欠乏性くる病」を知っていますか? 小児科部長 濱田 淳平

 かつて栄養不足の時代に多かった乳幼児の「ビタミンD欠乏性くる病」は、食糧事情の改善とともに姿を消し、過去の病気とされていました。しかし、最近再び増加傾向となり、古くて新しい病気として注目されています。ビタミンDが欠乏すると、くる病(O脚=下肢の骨が変形して極端な内股になる)を発症し、身長の伸びが悪くなることが知られています。

 それでは、なぜ「ビタミンD欠乏性くる病」は増加しているのでしょうか?

 一つ目の要因は、母乳栄養の過度の推進です。母乳に含まれるビタミンDは粉ミルクに比べて非常に少量です。母乳のみで育ったお子さんの多くは、ビタミンD不足状態にあることは知っておかなければいけません。しかし、母乳中のビタミンDは吸収率が良いですので、母親がビタミンDを多く含む卵黄・魚・干し椎茸などを摂取することが重要です。

 二つ目の要因は、日光浴(紫外線)の不足です。紫外線に暴露されると皮膚がんになりやすいという海外からの報告を受け、日本でも日光浴が推奨されなくなりました。しかし実際には、有色人種である日本人は紫外線の影響による皮膚がんはかなり少ないとされており、1日15分程度の適度な日光浴はビタミンD合成のために必要とされています。

 三つ目の要因は、食事制限による摂取不足です。これは、食物アレルギーやアトピー性皮膚炎があり、ビタミンDを多く含む卵や動物性たんぱく質を制限しているお子さんで見られることが多いです。

 乳幼児期では、軽度のO脚はよく見られますが、内股で気になったり、身長の伸びが悪い、歩き方がぎこちなくこけやすいなど、気になることがあれば気軽にご相談ください。

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