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2017-11-01

こんにちわ2017年11月号 胆道結石について 放射線科医長 吾妻 佐奈江

 胆汁は肝臓で1日に約500~800ml作られ、胆管を通り膵管と合流して、十二指腸へと分泌され脂肪や炭水化物の消化を助けます。胆嚢はこの胆汁を一時的に蓄えておく貯水池のようなものです。

 胆汁の成分は、胆汁酸、コレステロール、ビリルビンといわれる胆汁色素等でできています。これらの成分のバランスが崩れると、胆石ができる原因になると考えられています。

 脂質の多い食生活は、胆汁中のコレステロールの割合が増加し、胆汁中で溶けきれないコレステロールは析出し、胆石の原因になると考えられます。また、ビリルビンが上昇する特殊な状況(溶血性貧血、肝硬変、胆道感染など)は、ビリルビンを主体とした胆石の原因になります。また、胆嚢自体の動きが悪い場合、胆汁のうっ滞が胆石の原因になると考えられます。

 近年、胆石症の患者さんが増えており、日本人の成人の約8%が胆石をもっているといわれています。その理由として、①食事の欧米化により脂肪の摂取量が増えて胆石ができやすくなったこと②医療の診断技術が進歩して、無症状の胆石が発見できるようになったことです。検診の超音波検査で指摘されている方も多いと思われます。

 胆嚢炎の典型的な症状は、上腹部痛(右季肋部、心窩部)、吐き気・嘔吐、発熱です。また、胆管が結石によりふさがり、胆管炎を併発すると、腹痛、発熱、黄疸がでます。胆管炎では、胆管が血流の豊富な肝臓と直接つながっていることもあり細菌が血流に乗って全身にまわり閉塞性化膿性胆管炎から敗血症と呼ばれる死に至る状態になることもあります。

 胆石症はよくある病気ですが、胆嚢に異常を認めた場合は一度病院を受診していただくことをお勧めします。

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