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こんにちわ2019年4月号 虫垂炎の治療法 副院長 小野仁志

 元号が平成から令和へと変わり、今月号は、令和元年5月号となります。

 平成の30年間に、医療の分野では、疾患構造や治療方針が変遷してきました。

外科が扱う、急性虫垂炎も治療方針が変化している一つです。

 

 虫垂は、小腸から大腸への移行部近くに突き出た、太さ1cm以下、長さ5-8cm程度の細い管状の臓器です。この虫垂の内腔が炎症を起こした状態が虫垂炎です。虫垂が便(糞石)や異物、腫瘍などにより閉塞を起こして発症することが多いといわれますが、原因不明のこともあります。炎症が進行すると、虫垂は穴が開き(穿孔)、膿汁や腸液が腹腔内へ流出し、腹膜炎を起こします。さらには、敗血症となり、重篤化し、生命の危険がおこることがあります。症状は、吐き気、嘔吐、右下腹部痛をみとめます。典型例では、上腹部やへその周りが突然痛みだし、次に吐き気や嘔吐が起こります。数時間すると吐き気が止まり、痛みが右下腹部に移ってきます。この部分を押して離した時に痛みがひどくなります(反跳痛)。

 

 虫垂炎に対する初期治療は2つあります。一つは手術治療であり、もう一つは絶食+点滴+抗生剤による保存的治療です。以前はすぐに手術治療を行なっていたのですが、急性期手術に伴う合併症が見られることや、適正な使用による抗生剤治療が進歩したため、多くの虫垂炎が保存的治療で治るようになってきました。しかしながら保存的治療で一旦治った虫垂炎の20-40%が再度、虫垂炎になると言われています。そこで、虫垂炎が治った後3ヶ月程度経ってから、再発を防ぎ、手術に伴う合併症を減らすタイミングで待機的腹腔鏡下虫垂切除術を行なう事が増えています。特に虫垂炎がひどく膿瘍形成したケースでは推奨されています。つまり、保存的加療と手術治療を組み合わせた3つめの治療です。

現在は、この3つめの治療が当院でも徐々に増加しています。

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