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2019-04-19

西条中央病院ニュースvol.23 現在のがん事情と当院の取り組み 外科 松野裕介

現在のがん事情と当院の取り組み

 最近ではテレビでも「2人に1人ががんに罹る」と言われているように年々、がんは増加傾向にあります。その原因として「がんは細胞のコピーミスにより始まる」とされており、高齢化による機会の増加が主な要因といわれています。予防――コピーミスの頻度低減・修復のためには、禁煙・節酒・食生活・運動・適正体重の維持といった5項目に気をつけると良いとされ、報告によってはがんになるリスクを40%前後低下させると言われています。しかし、完全に予防することは現在の所できませんので、定期的な健診によるチェックが推奨されます。

 2人のうちの1人に入ってしまいがんになった場合、まず「どこの」がんなのかを理解しておく必要があります。時にがんを一つの、全て同じ経過を辿る病気と捉えてしまう方もおられますが、臓器により経過は大きく変わります。聞いたことがある他の人のがんが、自分と同じものであるのかは知っておかなければなりません。次に「進行度(stage)」はどれくらいか。それにより必要な治療方法、経過も変わってきます。様々な検査から、それぞれのガイドラインに基づき進行度が決定され、手術が望ましいと判断された時、外科として説明をさせて頂くことになります。

 手術については近年、鏡視下手術が広く普及してきています。以前は開胸や開腹手術でしか行うことが出来なかった内容を、専用のカメラを用いて9+-行う方法です。腹部に関しては腹腔鏡と呼ばれ、日本では1990年に胆嚢摘出術から始まり、愛媛県でも小生の所属する医局の渡部教授が同じ年から導入され、医局として研鑽を積んで来た領域となります。腹腔鏡手術は開腹手術と比べ傷が小さいため術後の痛みが少ないこと、それにより回復が早いことが利点として挙げられています。ただし、安全性および成績の点で、開腹手術との同等性が確保できる場合に限ります。そのため病巣の広がりや、体力面等からは開腹手術をお勧めする場合もあります。時にニュースなどで医療事故でも上がってくる単語となってしまっていますが多くの場合、対象疾患・状況が異なっており、この点も前述の「がんが全て同じなのではない」のと同様に一つ一つ分けて考える必要があります。これらの事を踏まえ当院でも、ヘルニア(脱腸)・胆嚢・大腸・胃などを中心に、適切と思われる症例では積極的に腹腔鏡手術についてお話させて頂いております。また、当院では対応が困難な場合でも大学病院と連携し、より良い方法を提示できるよう努めております。個々の症例において、気になる点等がある場合はお気軽にご相談下さい。

外科 松野裕介

 

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