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西条中央病院ニュースVo.l16 病気を治すのは誰? 内科 太宰康伸

 この表題を見て、不思議に思われましたか?。病気を治すのは、医療従事者ですか、それとも、病気を持った方ですか。少なくとも、私は病気を治すのは病気を持った方と考えています。医療従事者は、確実性の高い知識をもとに治すための方向性を示して具体的な指導・治療を行い、病気が治るように、あるいは、悪化しないように支えているにすぎません。例えば、以前は、C型肝炎による肝硬変は治らない、ただ進行し亡くなるだけだと考えられていましたが、今や、C型肝炎ウイルスを排除し禁酒を継続できれば、肝硬変も元に戻りうるということがわかってきました。このように、本来、人間の体は、障害を受けても元に戻ろうとする力を持っていますが、それを阻む要因があるために、元に戻らず、あるいは、病気が進行すると捉えたほうがよいようです。一方、マスコミでは、医療が進歩し、さも、どんな病気でも治るような報道をしていますが、残念ながら現実はそうはいきません。医療知識が蓄積され、医療技術も進んではきましたが、今の医療は、いまだに発展途上の状態で、原因不明の病気も多く、同じ病気の病因・治療でも、様々な考えがあるのが現状です。 こういう状況の中で、この表題を取り上げた理由は、社会全体で権利ばかりが尊重され、医療領域でも病気を持った方の権利ばかりが過度に謳われる状況を危惧したためです。このままでは、病気を持った方の過剰な要求により、医療従事者の委縮を招いて医療の後退がおこり、ひいては病気を持った方の不利となりかねません。権利には必ず義務を伴います。その義務は、医療従事者の勧告・治療を納得したうえで受け入れて、主体的に治療に取り組むというものです。この取り組みが、うまく機能していないように思えてなりません。例えば、生活習慣病といわれている疾患のほとんどは、適切な運動、適切な食事摂取、体重コントロール、節酒、禁煙等で病気の進行・悪化を防ぎえますが、生活習慣病を持った方が急増して現実があります。一見、医療は進歩しているように見えるけれども、病気を持った人は増えているという矛盾を、日本は抱え込んでいます。これが、今の日本の医療財政を疲弊させている一端かもしれません。もう一度強調しますが、病気を持った方が、主体的に病気を治すという義務が果たされているでしょうか?。 一方、医療従事者の側にも課題があります。それは、医療従事者の発した指導が、必ずしも、病気を持った方に受け入れられていないという現実があります。それを解決するためには、医療従事者も、適切な知識・技術を絶えず更新し習得していくとともに、得たものを、病気を持った方に、効率よく、かつ、受け入れやすく普及していく努力を行っていくことが必要です。これらの事象が円滑に進んでいくには、相互理解による協同作業が不可欠です。 最後に、医療従事者に治療をお任せする時代は終わりました。病気を持った方が、権利と義務を十分に理解されたうえで、主体的に治療に取り組む時代です。医療従事者として、そういう方には惜しむことなく協力いたします。

 

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