こんにちわ誌

2019年8月号
アレルギー性鼻炎の最近の治療    小児科医長  桑原 優

アレルギー性鼻炎は、日本人の約4割が罹患している病気で、「くしゃみ」「鼻水(鼻漏)」「はなづまり(鼻閉)」を3主徴とし、ダニが原因の通年性アレルギー性鼻炎とスギなどの花粉が原因である季節性アレルギー性鼻炎(花粉症)に分類されます。アトピー性皮膚炎や喘息と異なり、アレルギー性鼻炎の患者さんは増加しており、また、小さいうちから発症する方も増加しております。

 アレルギー性鼻炎の治療法は、①ダニやスギなどのアレルゲンを除去・回避、②薬物療法、③手術療法、④アレルゲン免疫療法があります。①はダニに対しては、お部屋の掃除、除湿、防ダニ布団やカバーの使用が有効で、スギなどの花粉に対しては、マスクやメガネの着用が有効です。②や③の薬物療法や手術療法は、起こっている症状を軽減する治療法で、即効性はありますが、薬物療法では内服は中止したら、また症状が起こってしまいますし、眠気などの副作用で勉強や仕事に差し支える方もおられます。そこで、近年、④のアレルゲン免疫療法が注目されています。この治療は、時間をかけてアレルゲンを投与してアレルギー反応を変えていく治療法です。3年~5年続けることにより、治療を終えたあとも長期にわたり症状を抑えることができます。アレルゲンを投与する方法は、皮下に注射する皮下免疫療法と、舌下に投与する舌下免疫療法があります。舌下免疫療法は2018年までは12歳以上の方が対象でしたが、現在は5歳以上ならお子さんでもできるようになり、治療を開始している患者さんが増えています。舌下免疫療法は、舌下に治療薬を1分間含んで飲み込むことができるお子さんであれば治療可能です。ただし、即効性はなく、今のところ、「ダニ」と「スギ」の2種類のアレルゲン治療薬しかありません。また、1日1回、毎日、少なくとも3年以上継続しなければならず、治療効果がでる方は約8割といわれています。他にも、喘息を合併していて、調子がわるい人などは副作用の面から治療を受けることができない方もいらっしゃいますので、舌下免疫療法を希望される方は主治医の先生に聞いてみてください。

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