こんにちわ誌

2018年11月号
静脈血栓塞栓症   循環器内科 医長 入田 純

 この原稿を書いている日は、台風24号が西条市を直撃しているまさにその日でした。当日、私は日直で西条市の2次救急を担当しておりました。何とか無事、仕事を終え、病院の外へ出てみると、豪雨で西条中央病院の傍の川は溢れそうでした。それでも帰宅の途へ車を走らせましたが、高速道路は通行止め、西条市の様々な道路が冠水しており、結局松山を諦め、病院に戻りました。病院に戻るのも一苦労。迂回、迂回と、仕事よりも疲れ果てて、何とか病院へ。翌朝は憎らしいくらい良い天気でしたね。

 

 平成30年も残りあと少し、本当に災害が多い1年だったのではないでしょうか。災害時には様々な病気に悩まされますが、その中に、皆さんも耳にされたことのあるエコノミークラス症候群があります。この病気は、静脈血栓塞栓症と言って、血液の流れが悪くなることで、足の静脈などに血の塊が生じ、還流異常を来す深部静脈血栓症と、その下肢血栓が飛んで、肺動脈を閉塞させてしまう肺血栓塞栓症の2つを併せたものです。急激なショック状態、急に息苦しくなった、片足が腫れて痛いなどの症状を認めるものから、検査で偶然発見されるものまで様々です。一昔前は未分化ヘパリンの点滴やワルファリン内服での治療しかなく、肺血栓塞栓症を来した場合は下大静脈フィルターの留置が当たり前のように行われておりましたが、近年は直接作用型経口抗凝固薬の登場により、治療が一変したように思います。

 

 最近は、外科の先生方が手術前の検査で、その病気をチェックされることが多く、治療について相談されることがよくありますが、自分としては、患者さん個々に応じた最適な医療を、今後も提供していきたいと思います。

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