麻酔科医は増加しているのに麻酔科医不足? 麻酔科 主任医長 葛川 洋介(こんにちわ2026年6月号)
麻酔科医は増加しているのに麻酔科医不足?
麻酔科医の人数は増加傾向にあり、1980年代から20年間で約3000人から8000人規模へ、年間約250人ペースで増加し、現在は1万人を越えていると言われています。
それにも関わらず、日本の麻酔科医不足は深刻な状況です。これは最近言われ出したことではなく、約20年前に、私が研修医の頃から麻酔科医は増え続けているにも関わらず、変わることなく言われ続けています。その原因としては、高齢化に伴う手術件数の増加と安全性の要求による需要の拡大、ICUやペインクリニックなど麻酔科の業務領域の拡大、麻酔科医の大都市圏への集中・偏在による地域病院での不足等が原因と言われています。
その対策として、日本麻酔科学会は、特定行為研修を修了した看護師が、手術中の麻酔管理サポートを行える環境づくりを目指しています。また、麻酔科医の効率的な配置のため、病院間での業務集約や地域連携が進められています。さらに、病院内では負担の大きい手術室運用を見直し、非常勤医の配置や、緊急時以外の手術の適正化などで勤務医の負担を軽減する取り組みも行われています。また、出産や育児で一度離職した女性医師が復帰しやすい環境づくりも現在重要視されています。
今後も麻酔科医は、人数自体は増加傾向にあるものの、それを上回るニーズがあるため「絶対的な不足」が続いていくと思われます。今後はこれまでの取り組みに加え、AIがより進歩し麻酔科医がより働きやすい環境になる事を(個人的には)期待しています。
麻酔科 主任医長 葛川 洋介