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2012-10-19

西条中央病院ニュースVo.l11 小児の睡眠時無呼吸症候群 耳鼻咽喉科 医長 宋碩柱

小児期は心身の成長・発達が最も活発な時期のためとても大切です。小児は成長・発達が著しい反面、障害を受けやすく、成長も未発達です。この時期発症する睡眠時無呼吸症候群や生活習慣の影響が後々小児の人格形成や健康状態に大きく影響を及ぼします。

小児の睡眠呼吸障害、いびきをおこす代表的な疾患としてアデノイド・口蓋扁桃肥大があります。咽頭扁桃は3-6歳、口蓋扁桃は5-7歳で最大となり学童期後半に次第に退縮します。好発年齢は2-6歳頃で成長・発達の時期に関係していると言えます。このアデノイド・口蓋扁桃肥大により空気の通り道が狭くなるため、いびきや睡眠時の無呼吸を引き起こすと考えられています。

呼吸障害が長期間にわたると、顔面筋は弛緩して口を半ば開き、下口唇下垂、鼻唇溝消失、門歯の突出といったアデノイド顔貌を呈し、重症例では荒い呼吸音が覚醒時にも聴取される。開口すると肥大した口蓋扁桃と、口蓋垂後方にアデノイド下端を認めます。

症状としては、いびき、のどの渇き、倦怠感、頭痛、就寝・起床時間の遅延、寝起きが悪い、長時間の昼寝、夜間の体動、覚醒、集中力の欠如、学力低下などが起こったりします。また、睡眠リズムが崩れ昼と夜が逆転してしまい不登校を引き起こし、落ち着きがない、多動、人格変化(攻撃的、内向的になる)など異常行動を引き起こしてしまう場合もあります。

睡眠時呼吸障害の正確な診断には睡眠脳波、眼球運動などを記録する終夜睡眠検査が必要です。簡易検査として、睡眠中の呼吸状況をビデオ記録すると良いでしょう。小児では胸壁が柔らかいので、上気道狭窄による換気障害は陥没呼吸として観察されます。呼吸障害のひどい時期に、前胸壁をはだけた状態で510分間ほどのビデオ記録をしてもらうと、保護者や耳鼻科医の理解を得るのにも有用です。

上記の症状がいくつか思い当たるようならば専門医への相談・検査をおすすめします。

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