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西条中央病院ニュースVo.l20 誤嚥性肺炎と口腔ケア 歯科  田村淳

高齢者や要介護者は、様々な基礎疾患をもっていて、機能障害を起こしている場合が多いため、口腔内の清掃が思うようにできず、不潔になりやすく、体力が低下していることから感染症にかかりやすくなっています。特に高齢者は肺炎を引き起こし、死に至る場合が多い現実があります。最近では、高齢者や要介護者の口腔ケアが行き届いているほど肺炎を予防できるということが十分認識されるようになり、口腔ケアの必要性が高まっています。

誤嚥性肺炎とは、肺に異物が入って(誤嚥)発症する肺炎であり、「不顕性誤嚥によるもの」と「顕性誤嚥によるもの」とに大別されます。頻度が高いのは、「不顕性誤嚥によるもの」です。「不顕性誤嚥によるもの」とは、口腔や咽頭の最近がむせることなく、知らぬ間に肺に吸引され流入して肺に定着し、細菌が増殖して肺炎を起こします。嚥下反射・咳反射の低下によって生じています。「顕性誤嚥によるもの」とは、食物をうまく摂取できないことにより起こります。これは食物が胃に送り込まれず、多量に肺の方に入り食物そのものが異物となり、一緒に入り込んだ細菌が増殖して肺炎を起こします。また、胃液を食道の上部まで逆流され(胃食道逆流現象)気管へ飲み込むことにより起こる肺炎でもあります。これら高齢者の肺炎は、認知機能の低下や失禁、食欲不振が兆候で、2/3に発熱があると言われています。

口腔ケアの誤嚥性肺炎に対する予防効果

2年間口腔ケアを行った人の群(口腔ケア群)と行っていない人の群(対照群)を比較すると、口腔ケアを行った人の群(口腔ケア群)の方が肺炎や発熱の発症率が低く、総細菌数の減少が見られるという研究結果が示されました。

【図12

この研究結果は、介護者や介護職、看護職等による日々の口腔ケアに加えて、歯科医師や歯科衛生士による口腔ケアにより、予防効果がもたらされることが示され、高齢者や要介護者のQOLの向上に継続した口腔ケアが貢献できることが示唆されています。また、口腔ケアは誤嚥性肺炎を予防する以外にも、身体的、精神的活動の維持や改善をもたらす意義も大きいと言われています。

当院歯科においても今後、入院患者様に対して病院歯科の特性を活かして継続した口腔ケアを行っていく予定です。

 

 

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