難聴(聞こえにくい)の話 耳鼻咽喉科 部長 能田淳平(こんにちわ2025年12月号)
難聴の原因は色々あり、それぞれ治療法があります。ただ治療が難しい場合も多く、その代表は、加齢による難聴です。難聴の患者さんが耳鼻科を受診するきっかけは様々です。例えば、
・家族に話しかけられても、返事がないため、お互いが話すのに疲れる
・テレビの音量が大きいために、うるさいと注意をうける
・友達と話していても、声は聞こえるが内容がわからなくて面白くないと感じる
・ざわざわした所やぼそぼそした声が聞き取れず会話ができない
などです。どれも人との会話やコミュニケーション、仕事、娯楽などにつながっているため、困ります。これらが、「聞こえにくい(難聴)」という悩みとなり、解決できないかと、患者さんは耳鼻科へ受診されます。耳鼻科ではまず難聴の原因と程度を診断します。時に耳垢が詰まっていて、それを除去して治ることもありますが、多くはないです。
難聴の程度によっては、補聴器を提案する場合があります。様々な商品があり、どれを選んで良いのか悩んでいる患者さんもいます。我々耳鼻科医は、補聴器専門店へ行き、専門の認定補聴器技能者へ相談し、補聴器の試聴をお勧めします。補聴器は自分の使いやすいように調整するため補聴器専門店に通いながら、いかに長く使って慣れていくかが大事です。補聴器を上手く使えれば、会話のストレスが減る可能性があります。難聴を放置すると認知症に関連するとも言われており、自身や周囲の方が難聴で困っていれば、まずは耳鼻科を受診してご相談ください。
耳鼻咽喉科部長 能田淳平