高血圧は「万病のもと」とされています 院長 大蔵 隆文(こんにちわ2025年7月号)

高血圧は、日本で最も多くの人がかかっている病気です。診断は簡単ですが、自動(家庭)血圧計が必要です。ご家庭でこの血圧計を使って複数回血圧を測定し、収縮期血圧(上の血圧)の平均が140mmHg以上あれば立派な高血圧であり、治療が必要な状態です。血圧が高くなると頭痛や顔のほてりといった症状を訴えられる方もおられますが、基本的に高血圧は無症状です。このため放置されがちですが、高血圧を放置しておくと徐々に血管が硬くなる変化が起こり(動脈硬化)、さらに血圧が上昇しやすくなります。最終的には心不全、腎不全、大動脈解離、脳卒中など生命に関わる重篤な病気を引き起こします。このような理由から、高血圧は“万病のもと”と考えています。
家庭で測定した収縮期血圧の平均が140mmHg以上であれば、医師に相談してください。130mmHg台でも要注意です。血圧が高い方は減塩がとても大切です。塩は、体に水分をため込み、血圧を上昇させます。塩分は味噌や醤油などの調味料に多く含まれていますので、減塩タイプの調味料に変えるのがおすすめです。運動も血圧を下げるために効果的です。運動と言っても、りきみを伴う無酸素運動はかえって血圧を上昇させるため、逆効果です。有酸素運動が効果的です。まずは、散歩から始めてみましょう。私たちの研究で、1日6,000歩以上の歩行は血圧を低下させる効果が確認されています。朝夕に30分間ずつゆっくりと散歩を行うことで、血圧の改善だけでなく、心身のリフレッシュにも繋がります。そこまで時間のない方は1日1回早歩きで30分間の散歩でも効果があります。
家庭血圧の平均が140台の方は、病院の受診を検討してください。多くの場合、降圧薬による治療が必要になりますが、血圧の改善が見込まれます。ただし、薬をやめてしまうとまた血圧は上昇しますので、治療を続けることが大切です。まずは当院内科にご相談ください。
院長 大蔵隆文