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2023-05-09

院長ご挨拶文を更新しました

ホームページ「院長ご挨拶」の文章を2023年5月9日付けで更新いたしました。
詳しくは、こちらの病院概要ページよりご覧ください。

 

 当院は、1954年4月に「地域社会への奉仕の精神」を創立の基本理念として、地域の皆様の健康を守り親しまれ信頼される医療を提供することを目的に、財団法人倉敷中央病院分院として設立されました。その後、1984年に医療法人として独立し、2006年には特定医療法人へ移行しました。さらに、2009年12月1日に「社会医療法人同心会 西条中央病院」となり、公益性、公共性の高い病院として、高度急性期医療・救急医療から慢性期医療まで幅広い領域で質の高い医療を提供するため、スタッフの充実を図り新病棟の建設や医療機器の導入などを行い、今日に至っています。

当院では、創立の基本理念をもとに次の五つの行動指針を掲げています
 1.私達は患者さん中心の医療を提供します。
 2.私達は常に医療水準の向上に努めます。
 3.私達は思いやりと同心協力の心を大切にします。
 4.私達は患者さんの持つ権利を尊重します。
 5.私達は開かれた医療を進めます。

 このなかで「同心協力」とは、職員全員が同じように思いやりのあるやさしい心を持って、協力しながら質の高いチーム医療を行うことを意味しています。患者さん中心の医療を行うため、より快適な療養環境を整えるとともに、病気につきましては充分に説明し、納得をいただいたうえで最善の医療を行いたいと思っています。わからないことや不満に思うことなどがありましたら、医師、看護師、あるいは職員の誰にでもお気軽にお声掛けください。

  新型コロナ対応では皆様にご迷惑とご負担をお掛けしています。2023年5月8日から新型コロナは2類相当から5類相当に変わりました。しかし、ウイルスそのものが変わるわけではありません。感染力が強く、季節性がなく、これまでの風邪よりも強い症状を呈することが少なくなくありません。季節性インフルエンザと同じ扱いになったからといって、決して侮ることはできません。このため、院内ではこれまでと同様にマスクの着用をお願いします。当面、外来患者さんの正面玄関でのトリアージを継続し、新型コロナの患者さんは2類の時と同様に一般外来とは分けて診療します。入院患者さんへの面会も事情がある場合を除き原則禁止といたします。ご不便をおかけしますが、来院される方々、入院患者さんならびに医療者の安全と安心のため、引き続きご理解とご協力をお願いいたします。

 この3年余、コロナ対応に目が向きがちでしたが、コロナもコロナ以外も医療の価値は同じです。特に、急病の患者さんや時を争う重症患者さんの診療が疎かになってはなりません。当院では、西条市の救急医療体制を整備するために様々な取り組みを行っています。
 第一は、救急搬送を中心とする二次救急医療への対応です。2022年度は1678件の救急搬送があり、過去最多だった2021年度を432件上回りました。これからも、西条市の二次救急輪番日は昼夜を問わず対応してまいります。なお、小児科については、輪番日は東予東部全域から救急車を受け入れています。
 第二は、急性心筋梗塞患者さんを迅速に受け入れるための体制の整備です。この病気は突然起こり、そのままではしばしば死に至るため、一刻を争います。そこで、平日については循環器ホットラインを設け、休日の内科系二次救急輪番日と併せて、地域の先生方や救急隊から要請があれば昼夜を問わず緊急対応しています 。
 第三は、診療時間外に救急車を利用せずに受診する救急(一次救急)患者さんへの対応です。西条市では診療所の先生方のご尽力により急患センターが設けられていますが、受診者数が多い日曜祝祭日の内科と小児科について、毎月2回急患センターに代わって当院が担当しています。

 救急医療体制の構築とともに重要なのが、診療の質の向上です。
 第一は、低侵襲手術の推進と質の高い医療の提供です。今年度から愛媛大学名誉教授で鏡視下手術のエキスパートである渡部祐司先生をお迎えし、消化器外科の充実を図り、地域の期待に応えたいと考えています。胃や大腸の早期癌については、鏡視下手術よりもさらに侵襲の少ない内視鏡的粘膜下層剥離術を積極的に行っています。整形外科領域では、一般の整形外科診療に加え、愛媛大学の協力のもと、股関節、膝関節や脊椎疾患に対して高度で侵襲の少ない手術を行っています。最近の麻酔科管理手術の増加と併せて、常勤の麻酔科医も増員しました。
 第二は、心不全診療です。心不全は発症すると緩解と増悪を繰り返し死に至る病気です。高齢化社会を迎え心不全患者さんが増えています。しかも、愛媛県は心不全で死亡する人の割合が全国トップクラスです。そこで、愛媛大学と連携し、よりよい心不全診療を目指して心不全の発症予防を含む包括的医療に取り組んでいます。
 第三は、周産期医療です。当院は西条市内で産婦人科と小児科がある唯一の医療機関であり、産婦人科病床を8床から12床に増やし産科と婦人科双方の診療の充実に努めています。
 第四は、看護師をはじめとするメディカルスタッフの充実です。当院では看護のスペシャリスト育成に努めており、多数の認定看護師や特定行為研修修了者などを擁しています。

 医療の本質は、どのような状況であっても何ら変わるものではありません。これからも、地域の方々に信頼され、安全・安心で良質な医療を提供できるように職員一同努めてまいります。西条市を中心とする近隣の医療機関や消防・保健・福祉・介護などさまざまな職種の方々とも連携しながら、地域の中核病院としての役割を担ってまいります。どうかよろしくお願い申し上げます。

2023年5月8日
院長  風谷 幸男

 

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