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2019-05-15

西条中央病院ニュースvol.24 学校検尿についてご存知ですか? 小児科医長 加賀田敬郎

腎臓が悪い、ってどのような状態でしょうか?おしっこが出なくなる?体がむくむ?しんどくなる?熱が出る?・・・色々な症状を想像されると思いますが、腎臓の病気はなかなか自覚症状がありません。目に見えて具合が悪くなった時には、腎臓の働きは相当悪くなってしまっています。では、腎臓病を早期発見するにはどうですれば良いか、答えの1つが学校検尿です。

学校検尿は、1973年に学校保健法で定められ、翌1974年から小中学生を対象に全国で一斉に開始されました。学校検尿が始まったことで、小児期や成人期の糸球体腎炎による末期腎不全が大きく減ったといわれています。

そんな歴史のある学校検尿ではありますが、現在におけるまで学校検尿の方法・取り組み方は自治体によって様々です。

西条市では、これまでは学校で検尿を1回行い(1次検尿)、異常があれば医療機関を受診するようになっていました。これでは、本来は病気ではない人まで引っかかってしまう(偽陽性)確率が高くなり、また、医療機関を受診しないまま放置する人が多くなってしまい、結果として腎臓病の早期発見ができなくなる可能性があります。そのため、2017年からは学校で2回まで検尿を行い(2次検尿)、不必要な医療機関受診を減らし、かつ本当に医療機関への受診が必要な人たちを見つける取り組みが開始されました。

2次検尿まで行うことで、医療機関への受診が必要な小児は大体1%以下になると言われています。西条市全体の小児人口で見ても、決して多い人数ではありません。もちろん、2次検尿までひっかかったから病気、ではありません。その中のさらに一部に腎臓病の子供たちが隠れています。

小児の腎臓病は多くはありませんが、末期腎不全になってしまうと現在の医療では透析・移植しか手段はありません。そうなると、大人になったときに仕事や生活の上でのQOLが損なわれてしまいます。

これから学校検尿が始まる時期になります。学校検尿をしっかり行うことで、もし2次検尿までひっかかった場合にはちゃんと医療機関を受診することで、予防し得る腎不全を減らしましょう。

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