こんにちわ誌

2016年12月号
糖尿病の薬と今後の課題  健康管理センター長 糖尿病内科  藤原 正純

 現在、2型糖尿病症例に使用可能で低血糖リスクの少ない抗糖尿病剤は、 ①チアゾリジン製剤(TZD)、インクレチン製剤 ( ②DPP4阻害剤、③GLP-1製剤)、④SGLT2阻害剤、⑤α‐グルコシダーゼ阻害剤(α-GI)、⑥ビグアナイド剤の6剤があり、低血糖リスクはあるが2~3時間の効果で切れる⑦グリニド製剤、20時間以上効き、食前や夜間の糖を下げる⑧スルフォニルウレア(SU)剤、そして⑨インスリン製剤があり、計9製剤の薬が使用できる。

 しかし、新薬ほど、薬価(値段)も高く、自己負担額(支払い)も多いのが、治療継続困難の原因となっている場合もある。又、1日に3回服用が必要な⑤α-GI、⑥ビグアナイド、⑦グリニド製剤は昼間や外出時の飲み忘れなどで残薬が多い傾向もあり、服薬アドヒアランス(きちんと服用する事)も大変重要な加療ポイントである。

 特に、2型糖尿病の中断症例には、それなりの理由があり、再度、受診する際は、血糖管理の悪化や、何らかの苦痛(脳梗塞などで半身麻痺、寝たきり、認知症、心筋梗塞、重い肺炎、足壊疽など)を生じた際が多い。この様な症例には、中断の理由や、個人に合った加療法を選択するのも大事である。

 同時に糖管理が安定して約2年が経過すると、なるべく、薬から解放されたいとの訴えも多く、出来れば、医療機関からも離れたいと考える傾向もある。こう言った場合、インクレチン製剤( ②DPP4阻害剤、③GLP-1製剤)は薬自身が判断して、糖が上がった時のみ自分の膵β細胞からインスリンを出し、糖が下がった際はスイッチを切る作用がある上、週に1回、休日のみに内服すれば良い②DPP4阻害剤、皮下注射の③GLP-1製剤は便利である。

 認知症の方には、家族やデイケア、訪問看護師の管理での対応など工夫もある。仕事で多忙な方にも、週1回休日のみの内服、皮下注射は生活に合っている事が多い。

 研究の進歩は目覚ましく、新薬は続々登場してくる予定であり、飲み薬の③GLP-1製剤や⑨インスリン製剤も開発中である。

 その反面、まだまだ解らない事も山積しており、その量も増え続ける一方で解らない事の方が圧倒的に多いのが現状である。日々、勉強不足の我を実感しうる次第である。

 最後に、どの様な薬が出ても、処方するのは人であり、その人間性は何時も問われているのも事実で、大いに、人としての精進も求められている。

 

 

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