こんにちわ誌

2016年9月号
胃癌検診は胃カメラとバリウム検査、どちらがおすすめ?     副院長 放射線科 二宮克彦

 日常臨床において胃に症状のある方にはほとんどの場合胃カメラ検査が行われていますが、胃癌検診の場合、市町村の集団検診ではバリウム検査、人間ドックではバリウム検査と胃カメラが選択可能となっています。 

 当院の人間ドックでは胃カメラ検査を希望される方が年々増加しています。近年の胃カメラの性能の進歩は目覚ましく、粘膜面の微細な異常所見を捉えることが可能となり内視鏡で切除可能な微少胃癌が多く発見されるようになっています。経鼻内視鏡の性能も向上し被験者に優しいカメラとして胃癌検診で用いられるようになったことも胃カメラの件数増加の大きな要因と思われます。バリウム検査と比較し、微細な粘膜面の異常を発見でき同時に生検もできる胃カメラ検査の方が早期胃癌発見については有利と言えます。      

 ではバリウム検査は駄目かというと必ずしもそうではありません。バリウム検査は以前より減少傾向ですがそれでも当院の人間ドックでは半数以上がバリウム検査を受けられています。古くからある検査法で胃癌の死亡率低下の明確なエビデンスのある検査です。ピロリ菌が原因となって生じる萎縮性胃炎の診断精度は胃カメラと遜色無い程度です。胃カメラが以前より随分飲みやすくなってきたのは事実ですがそれでもバリウムの方が楽と言われる方もおられます。バリウム検査は胃カメラとの比較では小さな病変の発見率はやや劣りますが、検診として受けるのであれば現在でも十分価値のある検査と言えるでしょう。

 胃カメラ検査希望者は今後も増加すると予想されますが、胃カメラの処理件数には限界があり、胃癌検診においては今後もバリウム検査は必要かつ重要な役割を担っていくものと思われます。

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