こんにちわ誌

2016年7月号
転倒に伴う骨折   整形外科部長 竹田治彦

 高齢になり骨が脆くなり、骨密度や骨折が骨粗鬆症の診断基準を満たせば骨粗鬆症と診断されます。骨粗鬆症は脊椎の椎体骨折、または四肢の上腕骨や橈骨や大腿骨の骨折を引き起こす原因になります。骨粗鬆症の治療はこれまでの活性化ビタミンD3製剤中心にしたものから現在のペプチド製剤の注射製剤も登場して大きく変化しましたが、骨折がなくなったわけではなく、特に四肢の骨折では手術の適応となることが少なくないのが現状です。

 骨粗鬆症に伴う骨折の中で脊椎骨折は転倒など外傷を契機に発生する骨折は約40%であり、一方で60%は外傷が契機でない非外傷性骨折です。言い換えると60%の椎体骨折は日常の中で自然に少しずつ椎体骨折を生じています。なかには多椎体に骨折して楔状化等すると背中が曲がる方もみられます。これらの予防・治療には前述の骨密度検査やレントゲン検査から骨粗鬆症の診断を行い、それに応じた予防・治療が望ましいと思います。

 高齢者の転倒では全転倒の10%に何らかの骨折を生じ、1%に大腿骨近位部骨折が発生します。逆には大腿骨近位部骨折の90%は転倒により発生しています。その他の四肢の骨折も同様で殆どが転倒により骨折を生じます(上腕骨、橈骨は左手を突いて左に発生することが多いです)。四肢の骨折では骨粗鬆症の予防・治療も大事ですが、転倒予防も大事です。屋内での転倒が多いことから手摺りの設置など外的要因への配慮は重要です。

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