こんにちわ誌

2015年8月号
鏡視下手術とロボット手術    副院長 外科 小野仁志

 外科手術において、機器の開発や進歩により、手術手技自体の変化が起きています。腹腔鏡下手術がその代表例で、小さな創から腹腔鏡というカメラを入れて、体の腔内をモニターに拡大して映し出し、モニターを見ながら手術を行います。消化器外科の分野では、腹腔鏡下胆のう摘出術が一般的となり、さらに腹腔鏡下大腸切除術が大腸癌手術の一角を担うようになりました。また、呼吸器外科では、早くから気胸の手術に導入されていましたが、肺癌手術に対しても胸腔鏡手術が行われるようになっています。

 

 さらに、遠隔操作が可能で、体内に多関節の触手を挿入し、3D画面を見ながら手術を行うダヴィンチ・ロボット手術が、前立腺癌手術で、保険適応となっています。 これらの手術は、傷が小さく、術後疼痛が少ない。術後の腸管等の癒着が少ない。拡大視効果により微細な変化を観察できる等の利点があります。しかし、その一方で、従来の開腹手術と比べて、手術時間が長くなる。モニターに映し出されていない部分の損傷のリスクがある。手術手技の安定に一定の時間と蓄積を要する等の欠点があります。術前検査で合併症が多く見られたり、手術の既往から癒着があり、長時間の手術が不適当な場合などは、従来の手術法も選択肢になると考えます。 

 

 八月末には、新病院が完成し、新しい手術室には、LED無影灯とセットの吊下げ式モニターが完備します。腹腔鏡手術は、執刀医の能力は勿論のこと、サポートする外科医、麻酔医、手術室スタッフのチーム力も重要です。今後も愛媛大学消化管腫瘍外科や愛媛大学麻酔科の協力を得て、チーム力をアップして、腹腔鏡手術に取組んでいきます。

 

    

 

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