こんにちわ誌

2015年6月号
「緑内障」を正しく理解しましょう            眼科部長 松岡 美紀子

 

 緑内障は、視神経が障害され、徐々に視野(見える範囲)が欠けていく病気です。進行すると視力も障害され、失明に至ることもあります。

 緑内障は、ごく一部のタイプ(急性緑内障発作)を除き、慢性的にじわじわと見えない部分が広がっていきます。片眼に見えない部分があっても、両眼で見るともう片方の眼でカバーしてしまうため、見えない部分がかなり広がるまで気づかないことが多い、自覚症状の乏しい病気です。日本人では、40歳以上の20人に1人、70歳以上の7人に1人が緑内障と推定されていますが、そのうち9割の方は気づいていないとも言われています。

 緑内障によって欠けた視野は、治療しても元には戻りません。自分で「見えない」ことに気づいてから来院されても、「見える」ようにはならないのです。このため、緑内障による視力・視野障害は非常に多く、日本人では中途失明の原因疾患の第一位が緑内障となっています。しかし、早期に発見して早期に治療を開始すれば、多くの場合失明に至ることはありません。

 緑内障の原因には眼圧(眼球の内圧)が大きく関与していると言われており、眼圧を下げることで進行を防止したり遅らせることができます。治療には「薬物療法」「レーザー治療」「手術療法」がありますが、どの治療も「眼圧を下げる」ことを目的として行います。眼圧が高くない「正常眼圧緑内障」というタイプもありますが、この場合も治療は眼圧を元の値よりもさらに下げることになります。どの治療を選ぶかは、緑内障の種類や進行度合いによって判断されます。最近は治療薬の数も増え、治療の選択肢は広がってきています。早期から適切な治療を行うことで、一生涯生活に支障のない視野を保つことも可能です。緑内障は自覚症状の出にくい病気ですから、早期に治療を開始するためには眼科検診が重要となります。今は比較的簡単な検査でチェックすることが可能となっていますので、この機会にぜひ眼科受診をなさってください。

 40歳を過ぎたら、年1回の眼科検査を受けましょう!

 

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