こんにちわ誌

2014年9月号
早期発見と内視鏡治療の関係  放射線科医長 吾妻佐奈江

             

 日本人の胃癌は減っていると言われます。しかし、胃癌になる人の数は、人口高齢化の影響で非常に増えています。つまり胃癌になる人は増加しているが、完治する人が多いため、胃癌の死亡率の低下につながっています。この事は、日本における胃癌の早期発見・早期治療の進歩が著しい証拠と考えられます。一方、大腸癌の死亡率は女性で1位、男性では3位です。今後、大腸検査の普及が重要になると言えるでしょう。

 

 さて、私たちの食道・胃・大腸は層構造になっています。その中でも一番内側の層が粘膜層であり、消化管の癌は必ずこの粘膜層から発生します。詳細な検討の結果、粘膜層に癌が限局している初期の段階では、リンパ節転移の危険性が少ないことが分かりました。そのため以前では転移の有無に関わらず開胸・開腹手術がされていましたが、粘膜層にとどまる初期の癌であれば、内視鏡を用いて主病巣のみを切除する治療で根治可能となります。(誰だっておなかは切られたくないですよね)

 

 初期の癌には自覚症状がありません。癌は気づかない内に、あなたの食道や胃・大腸に発生し育ちます。自覚症状が出た頃には癌はすでに進行し転移しています。お腹を切らずに内視鏡を用いた手術で根治するためには、早期発見が不可欠です。このためには、定期的に検査を受けることが重要です。

 

 胃カメラ、大腸カメラはつらい検査と思われる方が多いと思います。医療も進歩し、胃カメラは非常に細くなり鼻や口からカメラを入れることが可能となりました。また、それでもつらいと感じる方にはえずき止めの薬を使用して検査が可能です。大腸カメラにおいても、挿入時の痛みが強い方には、前もって痛み止めを使用する等、個人個人にあった検査方法を選択することが可能です。

 

 多くの方が検査を受けて頂く事を希望します。

 

 

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