こんにちわ誌

2014年8月号
タッチケアのすすめ        小児科部長 大藤佳子

 「タッチケア」というと「ベビーマッサージ」が思い浮かぶ方が多いと思いますが、「タッチ」することは、「スキンシップ」や「手当」にもつながります。皮膚は最大の感覚器であり、「ゆっくりと優しく触れる」と、脳でオキシトシンというホルモンが分泌されることがわかっています。そのオキシトシンには、他の人との相互作用を促す効果や抗ストレス作用があると言われています。ですから、子どもの体を「ゆっくりと優しく触れる」ことは、親子の絆を深める効果があり、さらに成長を妨げるストレスを癒して、体重増加を促進し成長を促すことにもつながります。

 このような効果から、オキシトシンは「愛情ホルモン」とも呼ばれ、親子や夫婦の愛情を深めることができます。また、お互いの親密さが高まり、攻撃性を低下させることにもつながります。さらに、オキシトシンの特徴として、触れた直後の即効性は少ないものの、繰り返しオキシトシンを分泌させることにより、その効果が長期にわたって続くのです。ですから、小さい頃に両親にたくさん触れられた子どもは、将来にわたって情緒が安定し、攻撃性が減り、社交性が高まります。オキシトシンの効果は生涯にわたって、ずっと脳に影響を与えることになるのです。

 スウェーデンには、1960年代に未熟児医療に携わっていた看護師たちによって生み出された「タクティール®ケア」というタッチケアがあります。スウェーデンの保育園や学校では、「タクティール®ケア」を日課に取り入れています。日本では、1990年代に介護福祉分野で採用され、現在では認知症ケア、疼痛緩和のための緩和ケアにも活用され、「不安感」や「抑うつ」を軽くするという結果もでています。

 皮膚をきたえることは、感覚をきたえ、自律神経をきたえ、身体と心をきたえることにもつながります。未熟児で生まれた赤ちゃんに多い感覚の過敏などにも「ベビーマッサージ」や「タクティール®ケア」などはよい影響を与えます。是非、日頃からスキンシップをはかり、タッチケアをこころがけましょう。

 

 

Copyright © 2017 西条中央病院 All Rights Reserved.