こんにちわ誌

2014年7月号
人間ドック学会の新基準値は適正か?   院長 髙田泰治

 

 今年4月に人間ドック学会から健診の検査データをもとに新たな正常基準値が提唱されました。これが本当に正しいかどうか議論されています。

 今回の基準値をみると、血圧(収縮期血圧-拡張期血圧)は147-94mmHg以下が正常範囲と設定されました。しかし、世界中で何十年間も検討した結果、血圧は140-90mmHg未満を正常と定めています。人間ドック学会が正常とした血圧が高い人が、十年後、二十年後も健康であるかどうかの検討はされていないので、日本高血圧学会は予防医学的見地からこのような基準値は適正ではないと批判しています。

 肥満度(BMI)も25未満が正常のところ、今回男性の上限は27.7、女性の上限は26.1と高く設定されています。またLDLコレステロールは男性が178mg/dlまで、女性は44才以下では152まで、45~64才では183まで、65~80才では190までが正常とされています。さらに男性では中性脂肪が198mg/dlまで、空腹時血糖が114mg/dlまでが正常とされています。しかし肥満に高血圧、脂質代謝異常、高血糖が加わったメタボリック症候群の人は、将来いろいろな病気を発症し易いという証拠があります。飽食の時代に生きている現代の日本人が示す値をもとに定めた基準値が適正であるとはとても思えません。

 健康診断を受ける人の中には、ゆるくなった人間ドック学会の基準値を信じたい人もいるとは思いますが、おそらく早々に見直されると思います。これまで通りの正常値を目標にして健康を維持していただきたいと思います。

                          

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