こんにちわ誌

2014年4月号
変形性膝関節症        整形外科医長 相澤 淳一

 変形性関節症は加齢等により発生し、痛みと共に関節の動きが悪くなる病気です。軽症のうちは薬や注射で症状を抑えられますが、進行すると特に膝関節や股関節などの大きな関節では人工関節の適応になります。

 骨の変形の前に軟骨の磨耗(擦り減ること)が先に起こってくるため、人工関節の説明をすると患者さんから「人工関節にならないためには、あまり歩かない方がいいでしょうか?」と訊かれることがあります。その人の人生観ですので一概に否定はできないのですが、これは整形外科医の立場からは非常に問題のある考え方です。

 足は歩くために存在するのですから、できるだけ長く歩けることを最終目標にすべきであり、手術をしたくないために歩けなくなるのは本末転倒です。

 毎日歩いて適度な刺激を与えないと、骨が脆くなるのはもちろん、筋肉がどんどん痩せていきます。骨や関節は人工物に取り替えることが可能ですが、筋肉はできません。薬や注射で症状を抑えながら運動して筋肉を維持し、悪化したら人工関節というのが現時点での最も賢明な方法といえます。

 軟骨の磨耗を抑える方法として、健康食品や健康器具などが盛んに宣伝されています。しかし論文捏造のニュースからも分かるように、一見学術的な報告にも間違いが多く混じっています。そのため医学の世界では複数の論文を比較しながら統計解析して結論を出す手法が用いられています。

 現在最も信頼性の高い手段は、大腿四頭筋(太股の前側にある筋肉)を鍛える訓練です。診察室やリハビリでも指導できますが、飽きずに毎日自分で行わなくては効果がありません。

 何かを食べて足を治す方法は、食べながら痩せる方法と同列に考えるべきでしょう。

 

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