こんにちわ誌

2013年2月号
期待される今後の糖尿病治療           糖尿病内科部長 藤原正純

 現在、糖尿病治療には、勿論、食事療法、運動療法、薬物療法の3つが主たる物でありますが、特に薬物療法について今後期待される方法を紹介したいと存じます。
今ある薬物の中には

  ①内臓脂肪を減らし、インスリンの効果を高める作用

  ②肝臓や筋肉でのインスリンの効きを増加させる

 ③腸の中で働き、糖をゆっくり吸収させる

 ④薬自身が糖の値に反応し、糖が上がった時のみ膵臓のB細胞からインスリンを出す

  ⑤膵臓のB細胞を刺激しインスリンの分泌を促す(短時間作用型、長時間作用型) 

などがありますが、特に今後④の薬自身が判断し糖が高い時のみ膵臓のB細胞からインスリンを必要最小限出すものが、目まぐるしく開発され、糖を下げるのみならず、心臓、腎臓、血管、膵臓のB細胞の保護作用も持ち合わせている事が解ってきました。①~④は低血糖の心配もなく4つの薬を組み合わせながら、多剤で加療するのが主流となってきております。特に④は早期から積極的に使用される事が勧められておりますが、残念ながら、愛媛県での保険診療では規制がかかり、自由に処方が困難でございます。47都道府県の内でも規制しているのは僅かに2県のみ(2012年12月現在)であり、世界での加療、国内での加療の中でも珍しい状況になっております。因みに隣の香川県、徳島県では自由に使用可能でございます。他県の医師と話し合う機会、特にAll Japanの会では皆一同に驚きます。
 又、同様の作用を持ちながら、さらに作用の強力な薬剤も開発されております。今後、IPS細胞を使用し、ご自身の脂肪細胞から膵臓B細胞を作り、増殖させ、ご自身の脾臓に点滴で装着させる方法、膵臓の外分泌細胞(ランゲルハンス島以外の細胞で主に脂肪分解に必要な酵素を作り、分泌し膵臓の大部分を占める細胞)から膵B細胞を分化、誘導し、その後に増殖させて、ご自身の脾臓に付ける方法などもあり、大きな期待が寄せられています。
 他にも新しいインスリン製剤等(皮膚に貼るタイプ、飲むタイプ)、より細くて痛みの少ない針、血液が無くても糖の値が解る器械の開発など今後期待され、既に臨床試験も行われている物も多数あり、我国、県内での使用は特に遅れますが、続々と新しく良い物は研究、開発中でございます。しかし、どの様な物を開発しましても使用するのは人であり、最後は使う人、使われる人の人柄、人間性などが重要でございます。                

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