こんにちわ誌

2011年11月号
「前立腺癌の話」 透析センター長 泌尿器科 辻村玄弘

「前立腺癌の話」

 前立腺癌と言う病気は、天皇陛下が手術を受けられ、一躍有名になりました。

 前立腺とは、男性の膀胱の出口の尿道を取り囲むようにある、くるみ位の大きさで、精子が元気に泳ぎ回れるようにする液体を分泌する臓器と言われています。

 男性が高齢になるにつれ、この前立腺は多かれ少なかれ肥大してきて、頻尿、排尿困難などの症状を引き起こします。これを前立腺肥大症と言い、良性の疾患ですが、前立腺癌も最初の症状は、同じ症状のことが多く、また、前立腺肥大症の中に前立腺癌が混在する事も多く見られます。

 この癌は欧米に多く、日本人は米国の約十分の一といわれています。また、血統としては純粋な日本人であるハワイ二世では、米国と日本の中間の頻度となっています。このことは人種の違いだけではなく、その生活習慣も大きく影響しているからだろうと思われています。最近日本の食生活も欧米化してきたためか、前立腺癌も激増しています。

 この癌は、一般的には進行のゆっくりした癌であることも知られ(進行の速いものも在るのが厄介ですが)最初のがん細胞が出来てから、症状出るまで三〇年近くかかるという説もあり、ほかの病気で亡くなられた方の前立腺を詳細に調べると、五〇才代で一〇%超、八〇才以上では六〇%超の人に前立腺癌が見つかるとの報告もあります。

 最近は、前立腺特異抗原(PSA)というのが血液検査で測定できるようになり、早期発見が出来やすくなりました。「知らぬが仏」で前立腺癌を持ちながら、それを知らないまま天寿を全うされていた方も多数いらっしゃることを考えると、見つけなくてもいい癌を見つけてしまう可能性もありますが、全身に転移して見つかる方もまだ、大勢いらっしゃいますので、五〇才を超えたら定期的なPSAの検査をお勧めします。

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