こんにちわ誌

2011年6月号
「更年期の女性医学」 産婦人科部長 是永進

「更年期の女性医学」

 女性は初潮時より女性ホルモンとの付き合いが始まり、閉経によってホルモンが無くなった状態におかれます。一般的に生物界(哺乳類)で閉経以後も長い間生存しているのは人類のみで、元々、神様は閉経後に生きて行く機能を用意しなかったのかもしれません。30年以上の間付き合ってきたホルモンが急に枯渇する為、閉経後に体の変調を来すのは当然であり、これが症状として表面に出た自律神経系の失調が更年期障害と言われるのもです。症状の出ない人も同じで、ホルモン欠落による変調は起こっており、これが老化を一層促進させます。よく言われるものに骨粗鬆症がありますが、中枢神経細胞の減少、皮膚、声、歯、目等の老化も早めると言われています。

 最近では、閉経以後の長期にわたる女性医学として更年期医学を考えるようになり、其の主な柱は2つからなっています。1つは閉経前後で発症する更年期症状であり、もう1つは更年期以後徐々に進行していく骨粗鬆症です。更年期症状に対する治療はホルモン補充療法が最も有効であり、名前の通り体の中に無くなった女性ホルモンを外から補充(内服または経皮的)し不必要な老化現象を防ぐことです。女性ホルモンは改良され現在は天然型(体内のものと同じ)が使用されるようになり、また投与量を減らすこと、更に治療期間を5年以内とすることで心配される乳癌発生の増加は抑えられると考えられています。一方、骨粗鬆症の治療に関しては、更年期症状がなければ女性ホルモンより骨粗鬆症専用の薬剤のほうが有効と判断されています。

 個人好みや体質、子宮の有無などによって治療形態は変わることがあります。主治医に相談の上、自分に合った方法で納得の行く治療を受けられることをお勧めします。

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