こんにちわ誌

2011年4月号
「子どもの発達と遊び込み」 小児科部長 大藤佳子

「子どもの発達と遊び込み」

現代の子どもの生活や遊びは、私たちが子どもだった頃とは大きく変わりました。テレビ・ビデオ・パソコン・ケータイなどの電子機器を相手に、室内で遊ぶことが多くなり、戸外で異年齢の子ども達が遊ぶ機会はずいぶん減っています。

子どもの心と体の発達には、遊びは不可欠です。特に、赤ちゃんの頃から五感を使って遊ぶ経験や親子で一緒に遊ぶ経験(遊び込み)が少ないと、子どもたちの運動能力や言葉の発達が遅れる一因となりコミュニケーション能力も乏しくなります。小児科学会は「2歳まではテレビやビデオは見せないようにしましょう」と警告していますが、特に小さい頃は一方的な映像や音声は有害であり、双方向のやりとりが重要なのです。

生まれる前(妊娠中)にも、母親に葉酸などの栄養不足や精神的ストレスがあると、発達に関する遺伝子配列が正常でも、その機能発現が異常になることがわかってきました。そして、誕生してから脳が発達していく過程において、刺激を受けてニューロン(神経細胞)がシナプス(神経細胞が他の神経細胞とつながるための継ぎ目)をどれだけ多く形成するかが重要であると言われています。シナプスの増加は、生後8か月がピークで、刺激を受けない不要なシナプスは削除(刈り込み)されます。赤ちゃんの頃からの刺激=遊びが、その子どもの個性(性格)に影響を与えるのです。

子どもも大人も、1日30分~1時間、一緒に楽しくじっくりと遊ぶ時間を増やしましょう。赤ちゃんの頃は室内で、歩けるようになったら屋外での遊びも取り入れ、五感と手と体を使った遊びをして、「楽しい経験」をたくさんさせてあげることは、とても大切なことなのです。

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