こんにちわ誌

2010年12月号
「甲状腺の病気について」 副院長 外科 小野仁志

「甲状腺の病気について」

甲状腺は、頸部の気管の前にある臓器です。ちょうど、のどぼとけの下の位置にあり、蝶が羽を広げたような形をしています。正常の場合は、はっきりとは触れないことが多いです。幅2cm、長さ5cm位の大きさで、重さは約15gです。

甲状腺の働きは、甲状腺ホルモンを作ることです。甲状腺ホルモンは、全身の代謝を調節し、成長期には発育・発達に関係する重要なホルモンです。

甲状腺の病気は、大きく二つに分かれます。1つは、甲状腺の働きの異常です。もう1つは、甲状腺の腫瘍(しこり)です。

先ず、甲状腺の働きの異常から説明しますと、甲状腺機能亢進症と甲状腺機能低下症があります。

甲状腺機能亢進症は甲状腺ホルモンが過剰となり、体重減少や手の振るえがみられ、脈が速くなり汗をかきやすくなります。その代表がバセドー病です。その他に亜急性甲状腺炎などがあります。

甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンが不足し、むくんで体重が増えたり、脈がゆっくりとなり、いつも眠くなったり、寒がりとなります。その代表が慢性甲状腺炎やクレチン病です。これら働きの異常は、血液検査で診断できます。当院では、今期新しい検査機器を購入し、検査当日に甲状腺機能が診断可能となります。

甲状腺機能亢進症の治療は、坑甲状腺剤の内服などがあります。甲状腺機能低下症の治療は甲状腺ホルモン剤の内服です。

もう1つの病気である甲状腺腫瘍(しこり)は甲状腺の働きには異常がない事が多いため、なかなか本人は気づきません。診断のためには、超音波検査が有用で、腫瘍の有無はすぐに診断できます。しかし、腫瘍の性質つまり、悪性(がん)か良性かの診断には、細胞診が必要です。甲状腺腫瘍の診断は外科で行っており、10分くらいで、外来で検査できます。

良性のものは経過観察し、悪性(がん)と診断されたものは、手術により治療いたします。甲状腺のしこりは、その多くが経過観察できる良性腫瘍です。ただし、石灰化を伴ったしこりや凹凸の見られるしこりは悪性のこともあります。

甲状腺の病気の診断は超音波検査と血液検査を受けることが重要です。

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