こんにちわ誌

2010年6月号
「皆様のもとに画像が届くまでには ―冠動脈CT編―」 循環器科部長 松本有司

「皆様のもとに画像が届くまでには ―冠動脈CT編―」

循環器疾患の説明に画像を提供することは非常に有用な方法です。これまで侵襲的な検査でやっと診断可能であった、特に血管の狭窄などは、現在、CTやMRIで非常にわかりやすく描出されるようになりました。狭心症は、冠動脈の狭窄あるいは痙攣(攣縮)による心筋の酸素不足が原因です。しかし、実際には冠動脈狭窄とはどのようなもので、どのような狭窄が急性心筋梗塞に至りやすいかは言葉では説明しにくいものでした。CTはここ数年、急速な進化を遂げ、患者さん自身の血管を映し出し、かつ動脈硬化の強い箇所をわかりやすく呈示してくれます。この画像を元に我々循環器医は、患者の皆様方に対しわかりやすく病態の説明を行い、最適な治療が出来るよう努めています。

既に、CTの画像を見てその素晴らしさに驚かれた方も多いでしょう。しかし、良い画像は高額機器を導入すれば必ず提供できる訳ではありません。すなわちそれを使いこなせる放射線技師の手腕と熱意のおかげであることを知っておいて頂きたいと思います。心臓は常に収縮、拡張をし続けしかもリズムは変動します。さらに造影剤が必要であり、その造影剤濃度が有効に作用する時間(心臓を通過してしまう時間)はおよそ20秒足らずと限られています。心臓が最大に拡張した時相(最も止まって見える)に的を絞り、そのわずか20秒間の内の約5秒間-そのうちでも最も脈が安定し、造影良好なタイミング-に撮像が行われます。撮像が終われば、数日かけて放射線技師が画像作成を行います。最新のコンピューター処理を駆使して行います。このようにCTはその画像の鮮明さに注目されますがその裏には、スタッフの隠れた努力と工夫があることを忘れてはなりません。

狭心症を心配されCTを施行された患者の皆様あるいはこれからCTをお考えの皆様、説明の際に医師から呈示されるCT画像は、作成まで少々の日数を必要とすることがあります。皆様の健康に少しでもお役に立てるよう放射線技師ほか多くの医療スタッフが協力して作成した価値ある画像です。御了承頂きたく存じます。

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