こんにちわ誌

2010年4月号
「医療崩壊序章」 内科部長 太宰康伸

「医療崩壊序章」

 今、西条でも、開業医の高齢化、勤務医師・診療科の減少、次世代の担い手となる新規開業医の減少が起こり、それにつれての救急医療を含む医療体制の綻びが起きてきています。なぜ、このような状況に陥ったのでしょう。

 表面的な原因は、地域の医学部を卒業して、その地域で卒後臨床研修を行う研修医の数が年々減少し、医学部の各科への入局者が激減してしまいました。そのため、従来は医学部が医師の就職派遣業的役割を担っていましたが、入局者の減少により、医師を必要とする病院に派遣するという役割を担うことが、不可能になってしまったためです。これには、地域の医学部の魅力不足という面もありますが、卒後研修希望医師の思考回路・動勢を配慮しなかった、しきれなかったという国の失策という面も無視できません。

 こういう状況の中で、勤務医は過酷な日常業務、救急対応に追われ疲労困憊しています。この状態が続けば、早ければ数年以内に、開業医も共倒れの状態になり、西条地区で適正な医療を適時に受けることができない状態に直面するようになります。

 ではどうすればよいか。病院の大きな目標として、勤務医の負担軽減に積極的に取り組んでいきますが、各病院のみの対応では、もうすぐ限界に達します。市民の方々も、今の医療体制を維持するためには、どんな協力ができるかを積極的に考えていただかないといけない時期にきています。

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