こんにちわ誌

2009年6月号
「DIRECT試験の意味する事とは」 内科医長 藤原正純

「DIRECT試験の意味する事とは」

 今回、欧州糖尿病学会において画期的な研究結果が発表されました。この試験は、3個のプロトコールにより成り立っていますが、要約すれば、1型糖尿病における網膜症の1次予防、そして2次予防、2型糖尿病での網膜症の2次予防、及び、進展抑制です。

カンデサルタン(ブロプレス)と云うARB( 降圧剤、血圧の薬)を用いた群は用いない群に比較して明らかに糖尿病性網膜症の発症、進展を抑制しています。これは非常に大きな意味を持っています。糖尿病性細小血管症は神経症、網膜症、そして腎症に代表されますが実際に細小血管を直接観察出来るのは網膜症のみです。後の2つはその血管症によってもたらされる結果を評価しているだけです。神経症ならば、CV-RR,末梢神経伝導速度等、腎症では尿中微量アルブミン、尿蛋白などです。

今回、網膜症の1次、2次予防、及び進展抑制にカンデサルタン(ブロプレス)が有効であったと云う事は、見方を変えれば、全身の代謝性疾患、血管症である糖尿病のほぼ全ての細小血管症を抑制し得る可能性があると考えても良いのではないでしょうか。つっこんだ表現をすれば、尿中微量アルブミンが出る前の段階の腎症にも有効であろうと推測されます。

実際に細小血管を観察して結果を出した今回のDIRECT試験はそれだけの事を十分に推察させる試験です。即ち、高血圧を合併する糖尿病は勿論の事、高血圧を有さない糖尿病患者においてもカンデサルタン(ブロプレス)は細小血管症の発症、進展抑制と云う観点において極めて早期から積極的に使って行くべき薬剤であると考えられます。

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