こんにちわ誌

2008年8月号
「めまい(良性発作性頭位眩暈症)」 耳鼻咽喉科医長 盛實勲

「めまい(良性発作性頭位眩暈症)」

めまいの原因は多岐にわたりますが、その多くは脳神経領域、循環器領域、そして耳鼻科領域に大別されます。耳鼻科領域でめまいをきたす疾患はメニエル病、前庭神経炎、良性発作性頭位眩暈症など様々ですが、最も頻度が高いのは良性発作性頭位眩暈症です。

 良性発作性頭位眩暈症の特徴は夜中、或いは朝、体を起こそうとした時、急に景色がグルグルと回り始め、吐き気を伴うというものです。しかし、通常はじっと体を休めているとめまいは止まります。本疾患の原因は、本来は前庭(平衡感覚を司る器官)内に存在する耳石が三半規管に入り込むために生じると考えられています。そのため、体を起こす、寝返りをうつなど頭位変換時に耳石が三半規管の中でコロコロと動き、めまいを生じます。しかし、原因となった耳石は通常、数日から数週の経過で自然に元の前庭に戻り、その後はめまいを生じません。最近では頭を決まった方向に動かすことで、より早く耳石を前庭に戻そうとする理学療法も行われています。

 耳鼻科領域のめまいは決して生命に危険を生じることはありませんが、めまいから派生する吐き気や嘔吐等の自律神経症状や、後遺症を生じるのではないかという不安から恐怖心を生じます。めまい克服の第一歩は病態を知り、恐怖心を取り除くことかもしれません。

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