こんにちわ誌

2008年7月号
「内視鏡的胃瘻造設術(PEG)」 内科部長 山下省吾

「内視鏡的胃瘻造設術(PEG)」

 最近医療・介護の現場で胃瘻(いろう)という言葉を耳にする機会が増えているのではないかと思います。これは脳梗塞後遺症・認知症あるいは超高齢者などの方々が自分の力で飲食物を嚥下できなくなった際に、胃カメラを使用して臍の上あたりの皮膚と胃を密着させチューブで固定し、そのチューブから栄養剤を注入する方法です。従来はこれらの方々の栄養補給は中心静脈栄養(太い血管から注入)、又は経鼻栄養(鼻から胃へチューブを挿入)が主体でしたが、前者は高価であり感染を起こしやすい、後者は苦痛が大きい、自己抜去してしまう、気道へ逆流しやすい等の欠点がありました。そこで約十年前よりその造設が比較的簡便となったこともあり、急速に普及してきた方法がPEGであります。

実際PEGは前述の方法の欠点を克服し、長期にわたる患者さんの栄養管理に多大な貢献をしてきたことは事実ですが、反面ややその有用性が強調されすぎたきらいがあります。

造設自体もやや危険を伴う操作であり、特に造設後1ヶ月以内に何らかの原因で約10%の方が死亡したり、又造設に伴うさまざまな合併症が少なくなく、PEGに対してやや否定的な見解も散見されます。

PEGは多くの場合、患者さん御本人の意志を伺うことができない特殊な治療法です。今後高齢化に伴いPEGを考慮するケースが更に増加することが予想されますが、その利点・欠点に加えて倫理面(延命措置のひとつとも考えられる)も含め、その適応は慎重に判断すべきものと思います。

お悩みの方がおられましたら是非御相談下さい。

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