こんにちわ誌

2008年4月号
「慢性腎臓病について」 循環器科医長 中村真胤

「慢性腎臓病について」

 慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)は、「尿蛋白陽性などの腎疾患の存在を示す所見」、または「腎機能低下(糸球体濾過量が60ml/min/1.73㎡未満)」が3ヶ月以上続く状態と定義され、糖尿病や高血圧、慢性糸球体腎炎など、様々な原因により慢性に経過する腎臓病の総称です。 慢性腎臓病は、人工透析や腎移植を要する末期腎不全の予備軍であるだけでなく、糖尿病や、高血圧などと同等もしくはそれ以上の大きな心血管病の危険因子となります。 

 現在、慢性腎臓病の成人患者さんは、日本に約2000万人、このうち心血管病の危険性が特に高くなる糸球体濾過量50ml/min/1.73㎡未満の患者さんは、約420万人と、予測よりもはるかに膨大であることが明らかとなり、慢性腎臓病の対策、治療が重視されています。  

 慢性腎臓病の治療は、末期腎不全への進展抑制、心血管病の発症抑制が目的であり、そのため、慢性腎臓病の原因疾患の治療の他、生活習慣の改善(肥満解消、禁煙など)、食事療法(塩分、蛋白制限など)、尿蛋白の抑制、高血圧、糖尿病、高脂血症、貧血、尿毒症毒素に対する治療など、病状、病期に対応した集学的治療が必要です。  

 早期診断、早期治療により、慢性腎臓病から末期腎不全への進展を抑制することが可能になってきており、学校や職場、市民健診などで定期的に検尿を受け、再検査を指示されたら、かかりつけ医、あるいは腎臓専門医のいる病院で必ず受けて下さい。 また高血圧や糖尿病、肥満、高脂血症、高齢者、喫煙者の患者さんは慢性腎臓病のハイリスク群であり、普段からしっかり自己管理をし、定期的な通院を欠かさないことが大切です。

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