こんにちわ誌

2007年8月号
「便潜血反応と大腸癌」 副院長 放射線科 二宮克彦

「便潜血反応と大腸癌」

大腸癌の死亡率は直腸もあわせると女性では既に第1位、男性で第4位となり、肺癌と並び近年急速に増加しつつあります。動物性脂肪と肉食、低残渣食など食事の欧米化が原因と言われています。

 現在大腸癌検診には便潜血反応が用いられています。これは便に血が混ざっているかどうかを調べ精密検査が必要かどうかを決めるものです。陽性の場合は精密検査(大腸内視鏡検査)をすることになっていますが大腸癌が見つかる頻度は5~10%で、その半数以上は早期癌です。進行癌で見つかった場合でも検診発見例では病変の外科的切除により治癒の可能性が高いとされています。もっとも多く見つかるのは大腸ポリープで、大部分は腺腫と呼ばれる良性の病変です。腺腫は将来癌化の危険性がある前癌病変とされており5mm以上あれば治療が必要とされていますが、そのほとんどは内視鏡(カメラ)で切除可能です。内視鏡的切除の結果、既に癌を合併している場合がありますが、粘膜より下の層に癌が進展していない限りは開腹手術を追加する必要はありません。

 さて、便潜血反応が陰性であれば安心できるかと言えば残念ながらそうではありません。出血していなければ癌は引っかからないわけで便潜血反応で発見可能な癌は進行癌の約8割、早期癌の5割程度とされています。この検査はあくまでも無症状の多くの人から大腸癌の疑いのある人を拾い上げる方法であり、症状のある方は検査が陰性であっても内視鏡検査を受けるべきです。現在もっとも信頼性の高い精密検査は大腸内視鏡検査です。症状も無く便潜血反応が陰性であっても、大腸癌の家族歴、慢性腸疾患、大腸ポリープの既往のある方は年一回程度の定期的な内視鏡検査を受けることをおすすめします。

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