こんにちわ誌

2006年9月号
「鼻出血(はなぢ)」 耳鼻咽喉科医長 木﨑久喜

「鼻出血(はなぢ)」

“鼻出血(はなぢ)”は、どなたでも一度くらいは経験する鼻の症状です。出血を表すあらゆる言葉の中で“はなぢ”ほど人々に慣れ親しまれたものは他に無いと思われます。鼻にはとても血管が豊富で、かつ外部の刺激を受けやすい器官だからです。

多くの場合は病院を受診することもなく、ちり紙を詰めたりして止まるようです。しかし中にはなかなか止血せず、あるいは繰り返すので不安になり耳鼻科を受診される方がおられます。夏場は小児が多く、冬場は高齢者が増えます。小児では夏場、気温の上昇により血管が拡張し、そこに鼻を自ら触ることによる機械的刺激など加わり出血するようです。高齢者では高血圧や内服している薬剤(脳外科や循環器内科)が影響して止血しにくくなる場合もあるようです。

多くの鼻出血は“キーゼルバッハ部位”と呼ばれる鼻の入り口から1cm位のところが出血点となっていますので、家庭ではちり紙などを詰め、鼻をつまんで安静にしていると、多くは止まってきます。病院では止血効果のある薬の付いたガーゼを挿入・留置します。また電気で出血点を焼くこともあります。しかし鼻の上方や後方からの出血ではそのような処置では止血しにくく、入院、手術を必要とする方も年間数例あります。そのような重症の鼻出血は小児では極めて稀で中高年に多く、また冬季に増えます。

“はなぢ”が止まりにくいときは慌てず、まず座位で鼻の中にちり紙を詰め、鼻を強くつまんでみましょう。鼻をつまむと血液はのどに流れますので、飲み込まず口から落ち着いて吐き出しましょう。慌てると血圧も上昇しますます出血してきますので、くれぐれも落ち着いて対処することが重要です。

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