こんにちわ誌

2005年3月号
「スギ花粉症の今後」 耳鼻咽喉科医長 兵頭純

「スギ花粉症の今後」

スギ花粉症の皆様、今年は特につらい時期をお過ごしのことと思います。この時期、花粉症の方を診察すると自分が花粉症であるかのような錯覚に陥り、苦しい思いが伝わってきます。

花粉症の治療には大きく抗原回避、薬物療法、特異的免疫療法、手術療法があります。耳鼻咽喉科では鼻アレルギー診療ガイドラインに基づき、これらの方法を組み合わせて治療にあたっています。これらのうち炭酸ガスレーザーによる鼻粘膜焼灼術は、外来で簡便に施行できかつ安全性が高く、鼻閉型の花粉症にかなり有効です。鼻閉で苦しんでおられる方におすすめします。

さて、スギ花粉症は今後どうなるのでしょうか。現在、新しい治療法として舌下抗原特異的免疫療法の研究やスギ花粉に対するワクチンの開発が進んでいます。これらが近い将来、中心的な治療法になると思われます。しかし、驚くことにもっと根本的な解決法が検討されています。それは花粉の全くないスギを植樹するという方法です。林木育種センターでは無花粉スギの開発に成功し、今後、屋敷林や里山、公園等での植栽等に用いる品種として原種の供給を開始するそうです。花粉が飛ばなければ花粉症は生じないのですから、将来的にはスギ花粉症は過去の疾患となるでしょう。

花粉症の皆様がその苦しみから解放される日がくる日を心から願う一方で、耳鼻科の主な収入源の1つであるスギ花粉症が消滅したときに耳鼻科医はどうなるのか少し心配です。

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