こんにちわ誌

2004年4月号
『加齢と糖尿病』について 内科医長 田中清宜

『加齢と糖尿病』について

日本の糖尿病患者数は、この50年間で約20倍に増加し、平成14年度の調査では740万人と報告されたことは周知のことと思います。さらに、糖尿病は年をとるにつれて増えますが、65歳以上の人での割合は6人に1人と、ありふれた病気になっています。その一因として、高齢者では糖尿病になり易いという遺伝素因がなくても、生活習慣の乱れから糖尿病を発症しやすいことが挙げられます。

 ところで、加齢とともに糖尿病が増える主な理由は、血糖を下げるホルモンであるインスリンの効きが悪くなること(=インスリン抵抗性)にあります。この抵抗性の原因には、①加齢そのもの(詳細は不明)、②運動不足、③カロリーの過剰摂取(特に油っこいもの)、④体脂肪の増加、⑤骨格筋の減少などがあります。

 次に、高齢者糖尿病には以下の2つの特徴があります。1つ目には、①口渇、多飲などの自覚症状に乏しい、②食後の高血糖をきたし易い、③(薬物療法を受けている場合、)低血糖症状が出にくいということがありますので、『症状が無いから大丈夫』ということは禁物です。2つ目の特徴は、加齢とともに動脈硬化の合併症が多くなることです。65歳以上の糖尿病患者では、14%に心疾患(狭心症、心筋梗塞)を合併し、一方、脳梗塞の合併は15%で、症状のない脳梗塞(無症候性脳梗塞)を含めると50%に達するとされます。したがって、なるべくこの動脈硬化が進行しないように、血糖値だけでなく、高血圧、高脂血症、タバコ、食物繊維の不足や運動不足にも注意していただきたいと思います。

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