こんにちわ誌

2003年11月号
「ヒポクラテスの樹 (鈴懸、すずかけ)」 副院長 西村哲一

「ヒポクラテスの樹 (鈴懸、すずかけ)」

冷夏、残暑、台風、地震と、様々な自然の営みを我々に見せつけながらも、今年も季節は巡り紅葉の季節は過ぎ、いまは落ち葉の季節です。木枯らしの到来とともに大地はさまざまな色彩の絨毯に覆われていきます。冬のまえの一瞬の輝きとも言えます。

病院の北側の中庭に一本の木があります。今年は虫害にあい、枝も切られなんともかわいそうな姿をさらしていますが、いつもなら涼しげな葉っぱを枝いっぱいに茂らせ、その葉に隠れるように風に揺れる小鈴のような実をつけています。すずかけ(プラタナス)の樹です。その実の付き方からこんなにかわいらしい和名をもらいました。この木がヒポクラテスの木と呼ばれていることをご存知ですか?古代ギリシャの“近代医学の祖”といわれる哲人の名前をもらっているのです。ヒポクラテスがこの木の下で弟子たちに医学の講義を行っていたためといわれていますが、お釈迦様の菩提樹とおなじで真偽のほどはわかりません。いまでもギリシャにはその跡継ぎが残っているようで、日本にも実生の子孫が入っているようです。医学の世界も日進月歩ですが、病気と人に対する姿勢は昔も今も変わりはありません。古今、医学を志す人のバイブルともなっている“ソクラテスの誓い”も彼の言葉です。みなさんも時々病院の庭を眺めてみて下さい。病院の心が分かるかも知れません。私たちは“鈴懸”に心を込めた鈴の音をならせたいと願っています。

インフルエンザの予防注射はおすみですか、冬はすぐそこ・・・

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