こんにちわ誌

2003年9月号
「動脈硬化の予知と予防 -脈波とたばこ-」 内科医長 松本有司

「動脈硬化の予知と予防  -脈波とたばこ-」          

ヒトは血管とともに老いるという言葉が有ります。人間の動脈硬化は、年とともに進行します。言い換えれば、動脈硬化は若返ることのない限り改善しないのです。しかし、ヒトには動脈硬化の進行、程度に大きな差が有ります。進行を促進する3大危険因子は、高血圧、喫煙、高脂血症といわれています。この動脈硬化を早期発見する方法として、我々は脈波伝達速度を用いています。いわゆる血管の硬さを測定するもので、脈波が血管を伝わる速さが速いほど、血管が硬いという原理に基づいています。測定法は極めて簡便でありかつ硬さが数値で算出されるため、経時的な観察も可能で進行、改善が一目瞭然です。

動脈硬化の早期診断上重要なことは、あくまでも狭心性、脳梗塞を発症する前に予測することが目的であり、肉眼的に動脈の狭窄、瘤形成などの変化を来してしまってからでは遅いのです。そのために、簡便な方法で多くの患者様に検査を受けて頂いているのです。テレビ番組では、動脈硬化の予防には、黒酢、エコナ、EPAなどが良いといいますが決して嘘だとはいいません。しかし、最も悪いもの(健康にとっての社会悪)が何か、についてはどういう訳か言及されません。たばこは、高血圧、肥満などと違い他人にも被害が及びうる危険因子です。受動喫煙は、ガンの発生以外にも脳梗塞、心筋梗塞の原因にもなります。お金をかけて一生懸命治療に通って頂く非喫煙の患者様にたばこの煙を吸わせることのないよう今一度考えなければなりません。当院の喫茶も今月より禁煙となりました。松山市では、伊予鉄タクシーが車内禁煙となりました。動脈硬化の予知と予防は、地味な検査と地道な努力にかかっています。

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