こんにちわ誌

2003年6月号
「顔面神経麻痺」 耳鼻咽喉科 木﨑久喜

「顔面神経麻痺」

  顔面神経は脳から出発し、耳の奥を通り、耳の下にある耳下腺という唾液をつくる器官を貫き、顔面に到達する神経です。その働きは主に顔面の筋肉を動かすことで、この神経が麻痺すると麻痺した側の顔半分が動かなくなってしまいます。瞬きはできず、口は垂れ下がります。食べ物も麻痺側からこぼれてしまいます。顔面神経麻痺の原因の多くは生命にかかわる病気ではありませんが、顔は隠すことのできないところですから、患者さんの精神的な苦痛は大変なもののようです。

  顔面神経麻痺の原因の半数以上はベル麻痺といわれるもので、従来は原因不明とされていましたが、ヘルペスウイルスによることが明らかになってきました。次に多いのは帯状疱疹ウイルスによる麻痺です。ベル麻痺は早期に治療を開始すれば9割以上が治癒するといわれています。帯状疱疹ウイルスによる麻痺は少し悪く7から8割の治癒率です。ただし、いずれも治療開始が遅れると治癒率はぐっと悪くなります。麻痺が完治しなかったり、引きつりなどの後遺症が残ったりします。いずれも麻痺はじわじわ起こるものではなくある日突然起こります。疲労や感冒などが誘因になるともいわれています。

  顔面神経麻痺は脳外科、神経内科、耳鼻科などで治療を行いますが、顔の異変に気づいたら、とにかく早く病院に行き、診察を受けましょう。

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