こんにちわ誌

2003年5月号
「ソフトレーザー脱離イオン化とは? 」 内科医長 間口元文

「ソフトレーザー脱離イオン化とは? 」

4月に第26回日本医学会総会が福岡で開催されました。目玉はノーベル化学賞を受賞した田中耕一さんの「ソフトレーザー脱離イオン化の応用」と題した招待講演でした。会場のサンパレス大ホールは立ち見も出るほどの盛況でした。「私はタレントでも芸能人でもありませんから」。講演の冒頭、一斉に浴びたカメラのフラッシュをジョークで制するなど、楽しくわかりやすい講演でした。

さて、「ソフトレーザー・・・」といっても私たちの生活にどんな関係があるのかわからない人も多いと思いますので簡単に説明させていただきます。私たちの体は種々のたんぱく質からできています。ガンのようにたんぱく質が異常になることによって起きる病気もあります。この時血液中に、「ガンになっている」という証拠のたんぱく質が出ることがあります。もし、このたんぱく質を早期に発見することができれば、病気の早期治療に役立つはずです。そのためには、血液中のたくさんのたんぱく質の塊をひとつひとつ分解して、どんなたんぱく質からできているのかを調べる必要があります。しかし、たんぱく質を壊すことなく分離することはとても難しいことでした。田中さんの業績は、たんぱく質の種類を調べることができる方法を考え出したというものです。
 この研究の結果、ガンなどの病気の早期診断ができるようになることが期待されています。現在、一滴の血液から数百の病気を低コストで、さらに短時間(1時間程度)で診断できる装置を開発中とのことです。私たちにとって大きな意味のある研究だったのです。今後の進展を期待しましょう。

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