こんにちわ誌

2002年11月号
「ADHD(注意欠陥・多動障害)」 小児科医長 中村泰子

「ADHD(注意欠陥・多動障害)」

ADHD(注意欠陥・多動障害)という言葉を耳にされた事がおありでしょうか。ADHDとは精神年齢に比べて注意力が不足し、衝動性、多動性を示す行動障害のことです。発症率は3~5%といわれ、一クラスの中の一人か二人はADHDの子供です。教室でじっと座っていられない、教師の指示やルールに従えない、忘れ物をする、課題をやり遂げられない等の問題を起こしやすい子供達です。しかし、彼らは決してしつけが悪いわけでも、怠けているわけでも、ましてやわざと問題を起こしているわけでもありません。衝動や注意や行動を制御している脳の領域の活動性が低いために困った行動をとってしまうのです。彼らは自分の行動が他の人を混乱させていることに気づいていないことが多いのです。短気だったり他人の立場を理解できないため、友達との関係がうまくいきません。また、一つの事に集中できないため成績も伸び悩みます。こういったことが重なってくると彼らは自信をなくし、自分には価値がない、周囲の人から大切に思われていないという思いが芽生えてきます。そして一部の人は抑鬱、乱暴な行動、反社会的行動を引き起こしてしまいます。彼らが苦手とする他人との関わり方や衝動の抑え方、興味の薄い事柄に対する集中の仕方等を学び、彼らの利点である創造的で好奇心旺盛な面を生かして社会に適応できるようにするには周囲の人達の援助が必要です。皆様、ADHDに対するご理解とご援助を御願いします。

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