こんにちわ誌

2002年10月号
「秋を知る」 副院長 西村哲一

「秋を知る」

 一ひらの落ち葉や、吹き抜ける一瞬の風の中に秋を見た昔と違い、現代の騒々しい世の中ではそんな季節のサインが私たちに届きにくくなっています。また最近の温暖化に伴って、日本の四季は長い夏に春と秋が侵略されゆっくりと季節を愛でる暇もありません。近い将来、長い夏と一瞬の冬しかなくなるのではないでしょうか。季語とか歳時記といった言葉が死語になってしまうかも知れません。
 それでも十月、そこここに秋の景色はまだ見えます。様々の植物も実りの季節、赤や黄色が主役になってきます。しかし、その季節を彩る主役たちは時代とともに変わっていき、庭先に普通に見られた紅い鶏頭、色とりどりの小菊の群れ、ポンポンダリアも今は無く、代わって、今流行のガーデニングの庭には色鮮やかなラテン語の名前の花が咲き競っています。そして、コンビニの[オデン中華まん始めました]の貼紙に季節の移ろいを感じている。それも日本の秋なのです。
 五感という言葉があります。みて、きいて、かいで、さわって、あじをみる。この感覚を磨くことで人間は様々な文化を育みました。
 五感は人間の本能と連動しています。文明は人の五感を鈍らせます。秋は人の五感に一番迫ってくる季節、日頃使い忘れている五感でいきてみるのもいかがでしょう。
 桐一葉おちて・・・・の感覚を!

Copyright © 2017 西条中央病院 All Rights Reserved.