こんにちわ誌

2000年2月号
「ミレニアム(至福千年)」 副院長 西村哲一

「ミレニアム(至福千年)」

 ノストラダムスの大予言騒動から始まり、Y2K問題が世界中を不安と心配の渦に巻き込みながら1999年も暮れ、2000年の新年は穏やかに訪れました。危機はなかったのです。Y2K問題も一部の心掛けのよい家庭にペットボトルとインスタント食品の山を残して終わろうとしています。Y2K対策に使われた費用は莫大な額に昇るといわれています。アメリカなどでは訴訟も噂されるほどです。しかし、実際に危機が現実になっていれば、人々の被る被害も予想以上に膨大なものになったことを考えると、今回のY2K騒ぎも、“大事の前の小事”として納得できるものかもしれません。

 一方、人の心の不思議さはこの危機騒ぎの中、ミレニアムのお祭り騒ぎをも演出してしまいます。この言葉も突如、私たちの耳に入りだした言葉ですが、単に“千年”を意味する以上に、キリスト教世界では黙示録に示される、キリストが再降臨して世界を治める神聖な千年間という意味があるようです。ということは、過去の千年間もミレニアムであったはずですが、人類の幸福という面からみると必ずしも至福の千年であったとはいえないようです。ひとを豊かにする進歩の反面、大量殺戮につながる技術の進歩も著しく、それをつかう人間の叡智の進歩は蟻の歩みです。どうやら、先の千年は再降臨はなかったようです。今度こそは、是非とも再降臨が行われ、心のひろいイエス様のことですから異教徒である私たちにも至福の千年を与えてほしいものです。しかしこれも神頼み、我々は日々の小さな努力の積み重ねで至福千年を目指すしかないのでしょうか。

4日は立春、春はすぐそこ………

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